どこまでも深く、高く。魂のためのおもちゃ
人は大人へと成長し、自分の感情、記憶、思考を自発的に制御できるようになります。
成長の小径におけるその最初の時代は夢の時代です。この意志の時代は、赤ちゃんの頃から小学1、2年生ぐらいまでの期間にあたり、目的は自分存在そのものと直接結びついている時代でもあります。生命衝動に溢れるエネルギッシュな成長時代です。
光や色、音や味、堅かったり柔らかかったり、香りを感じたり。さしあたってこの感覚で知覚する世界が、人を取り巻いている世界です。五感を通して得られた刺激は、記憶され、ついで忘れられます。覚えていられるのは意識の表面にある記憶で、忘れられた記憶は夢の中に現れるなどして思い出されます。いずれにせよ記憶とは、感情と思考から成り立つ魂の中の思い出です。そして、想起するために必要になる自分の「思考」や「感情」などの発達を待望の気分で待っている段階が、物心がつく前にあたる夢の時代です。
「どうして???」
外界に興味を持つようになったことを示す道しるべの一つです。驚きから始まるこの疑問を抱いては両親に「謎」を聞き出す行為は、小学生1,2年生以降に芽生える「自分が尊敬する人物」への感情・・・畏敬の感情・・・を育む内面世界の大地となります。人生を通じて多くの実りをもたらす土壌となります。
感情は内面から自然に湧く感情と、外界からの刺激に対する感情の二つがあります。春に咲く花や美しいもの、暖かみのあるあれこれのものを見、ついで嬉しさがこみあげてくる感情は、前者の感情です。寒かったり暑かったり、といったことで感じる感情は後者の感情です。芸術衝動はこれらの感情を表現したいという思いに通じていきますが、それら芸術精神の萌芽は、赤ちゃんの頃から小学生に上がるまでの漠とした夢の時代にすでに育まれます。
おもちゃが木であれば、赤ちゃんにとってはとても親しみやすいおもちゃとなります。なぜなら、人の成長は、そもそも植物の生長に似ているからです。
成長の道しるべとしての木製のおもちゃは、豊穣の気分や憧れといった、さまざまな原初的な魂の力を引き出しやすくなる媒体です。
木のおもちゃ工房の生産する「木のおもちゃ」には、親と赤ちゃんの魂の架け橋の働きがあります。自然に近い木のおもちゃはシンプルで、形状は親しみやすい丸みを帯びた形。外界の何か(動物など)を象っています。
赤ちゃんが大人になったとき、子どもの頃に遊んだ木のおもちゃをみつめながらきっと、かつて親から授かった愛の響きを夢のように思い出すでしょう。